両思い - 2/2

どうしようもなく上司のことを好きなってしまい、そんな自分の気持ちを否定しにかかるも結局できず、あきらめて(好きだと思ってしまうのはもうどうしようもない…)と無謀すぎる恋心を墓まで持って行くことに決めていた部下がいた だのにある日に想い人からド直球で求愛され、「僕なりに君の気持ちも探った上で言ってるんだ ……間違ってたか?」って真正面から言われてしまう そんな上司に「それは間違いです」なんて言えるわけもなく視線をさ迷わせるしかない部下
そもそも上司と恋人同士になっている己なぞ微塵も想像できなくて、もし上司に素敵な人ができるとしたら…と妄想した時なんか(良いところのお嬢さん…○○さんの娘さんなんてとてもお似合いだろうな)などと当たり前のように他人を宛がっているような始末だった
告白されて、両思いだと確定して、報われないはずだった恋心がどんどん表に出てきてむず痒くて幸福な気持ちに胸がはちきれそうになっていても、それでも頭の中には「無理」の二文字しか浮かばない 「間違いです」と嘘もつけないしのらりくらりとかわしたくてもそんなことで誤魔化される上司じゃない
どうしていいかわからず体も声も震え、キャパオーバーで視界も潤み、それでも上司は手を放してくれなくて…… という妄想 とにかく降谷さんは業務内外で培いに培ってきたあらゆる能力・手段を当たり前のように部下相手にも使うのであまりにもチートなんですよね…獅子搏兎…

ポアロで勤務中に浴びる様々な「好き」、基本は「推し」とか「アイドル感覚」「癒し」「憧れ」…なんだけど、たまーに混じっているあむぴガチ恋勢による「恋慕」というのがあって、どうしてもそういうのはわかってしまうんですよね
なので(悪いことしたな…)って心の中で謝りながらも、告白とか面倒なことになる前に自分のことを諦めさせるようにそっと仕向けたりなどしていた しかしある時から、かすかにだけど部下からも同じような「恋慕」の感情を向けられているような気がしてくる
最初は偶然か勘違いかでスルーしていたんだけれど、どんどん違和感が大きくなってきて、正直理解できないので(なんで僕を…)って困惑するしちょっと気も散るので、確実に自分にそういう好意を向けているのかどうかだけしっかり裏をとって、とれたら本人にすっぱり諦めさせようと決めます
ただ部下も露骨に「好き」を表してくるわけじゃなくて、表情や視線や瞳孔、声音や会話の中などにわずかに滲ませている程度で中々100%確信するところまでいかない そこで悪いと思いながらも色々と試し行為を仕掛けてみたりするようになっていき、やっとほぼ確定だな…というところまで行くんですけど、
そのころには自分の方がすっかり風見という人間のことが好きになってしまっていて、そしてあまりにも自分への恋心をひた隠しにする部下を愛しく感じるようになっていたのである……という…